19歳らが日本刀で4人を殺害し死刑

1949年10月01日 (昭24)
長野県
死者:1人
 長野県南安曇郡の農家に、松下今朝敏(満19歳)、定時制農業高校生(17)の2人が押し入り、就寝中の主人(41)、妻(38)、長男(15)、長女(4)の4人を日本刀で殺害し、腕時計などを強奪、10.30に逮捕された。農業の男(35)が分家の被害者に去年財産分けした田畑が惜しく、金目当ての傷害で執行猶予中だった松下にやらせたもの。
 高校生は殺人で懲役15年、男は殺人幇助で死刑、松下は殺人で1審無期懲役、昭和33年5月に最高裁で死刑が確定したが、7.7に松下は「死刑受執行義務不存在確認請求」の行政訴訟を起こす。死刑執行の方法は明治6年の「太政官布告六十五号」に拠っているが、新憲法により失効している。また、刑法で定められた方法は「絞首」だが、現在行われているのは自分の体重で首が絞まる「縊首」であるとして、死刑を受ける義務はないとしたもの。同時にこの訴訟の判決が出るまで、死刑執行停止の仮処分請求も行い、東京地裁は執行停止決定を出した。
 昭和36年7.16、太政官布告は新憲法のもとでも法律と同じ効力を持つという刑事裁判上の判決が出て、12.5に最高裁は「死刑執行方法の可否は刑事裁判で争うべきことで、行政訴訟として取り上げることは許されない」と訴えを却下した。

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