過大な夢や我がまま 宮職安調査 完全就職を妨ぐ 当世新卒者の気質 毎日新聞栃木版引用

1952年05月07日 (昭27)
宇都宮職安管下中学校三十二校の新卒者の就職状態は男子の求職間口が大きく広がったため平均率は昨年並に八〇パーセントの好調を保っているが、あと未就職者二〇パーセント約六百人のあっせんは求人数が求職者数を上回っているに拘らず難航し、係員の頭を悩ましている。
その原因を各係員にきくと、新卒者側の過大な夢やわがままが原因して適当な就職口も失ってしまい、いたずらにブラブラしている始末で、その他、社会人になる上での心構え、求人者に対する態度など学校当局の教育方針にさえ疑いが持たれるほどひどいのがあるという。
◇実例その一 河内郡藤井村村立中学校出身のA子(一五)は同職安のあっせんで家事見習いを志望して某家へ行ったが、雇主が不審を抱いたほどこれといった理由もないのに働くのがいやになり、ロクな仕事一つせずに七日目で同家を飛び出して行った。同女は同校教頭が太鼓判をおした卒業生だが、わずか十五歳位で雇主のやさしい言葉にも反抗的態度でフテ腐れ戦術を続けた挙句、飛び出してしまったもの。
◇その二 宇都宮市内某校出身のB少年(一五)は市内商店の店員となるべく店主を訪問、雇用を承諾しておきながら、それっきり寄りつかぬ。同人は能力が低いに拘らず大会社就職の夢を捨て切れず、係員のあっせんを素直に受け入れぬ。
◇その三 学校がいかに自校の就職統計数の上昇だけにあくせくして、新卒者の就職あっせんに無責任な扱い方をしていたかの実例が宇都宮市内某中学校にあった。就職あっせんを担当した同校の教官は某少女を頭ごなしに納得させた上、二回にわたる両親の反対意見を無視して個人医院に看護婦見習にあっせんした。ところが赴任のドタン場になって母親が雇主にいきさつを物語って契約を取り消したが、これは校長の指導責任でもあると関係方面から批判されている。また近ごろの新卒者中には勤労意欲が全く欠け、就職を遊び半分に考えている者が多くなったと学校当局へ警告が発せられている。
(毎日新聞栃木版1952.5.7引用)
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