19歳が叔父と叔母を殺害

1954年02月07日 (昭29)
神奈川県
死者:1人
 秋田県平鹿郡で、秋田短大商経科1年生(19)が叔父宅に行って泊めてくれと頼んだが、叔母(53)が断ったためにカッとして喉を殴って気絶させた。逃げようとしたが隣の部屋で寝ていた叔父(59)が異変に目を覚ましたため殺してしまおうと決意、2人の頭を鉄棒で滅多打ちにしてから出刃包丁で首などを何度も刺して殺害、強姦されたように見せるため叔母の下半身を露出して逃走した。叔父は資産家の元町長で、これまでもたびたびこずかいをねだっていた。
 翌日に秋田市の自宅に帰って母親(43)に犯行を告げると自首を勧められたが、何食わぬ顔で叔父宅に行って葬式を手伝い、2.27に参考人として警察に呼び出されたため家出、3日後に戻って「どうしても死ねなかった。どんなことがあってもお母さんと一緒に生きたい」と泣くので、母親は旅支度を整えた上に8千円を渡して北海道へ逃がした。この年の大卒銀行員初任給5,600円。女友達(21)に出した手紙から居所がバレて、3.18に函館市の旅館で逮捕された。
 動機を訊かれて「何もない、あの時の気持ちをいま考えると不思議に思う」と話す。母親は「性質、学業とも普通で、母親思いだった」と語る。女友達も犯行当日に殺したことを告白されたが、最後まで一切秘密にしていた。母親は警察の追及を受けても嘘をつき、家出した時は自殺したと思って、殺人のためと見られないように女のために死ぬという遺書まで偽装していた。
 川崎市に住んでいた従兄弟(24)が2.25に逮捕されて深夜に及ぶ厳しい取調べのため秋田に来たこともないのに犯行を自供して起訴されるところだったが、まったく無関係と判明して3.20に釈放された。
 死刑が求刑されたが一審は無期判決、「有期懲役を期待していたのに無期懲役とは意外だった」と即日控訴したが、二審で控訴棄却となり確定した。
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