伝書バト熱と犯罪 毎日新聞引用

1955年02月15日 (昭30)
東京都
 戦後の世相があまりにも青少年にとって楽しみのないものだったためか、中・高校生の少年たちの伝書バトの飼育熱は大変なもの。特に都会地では異常なほどである。それにつれてハトにまつわる少年たちの犯罪も数を増やしている。千葉県市川市では中学2年生A(14)ら8名が、Aを親分に伝書バト窃盗グループを組織、昨年11月から約100羽50万円相当を盗みハト屋や友人に売っていた。少年らは電車の中からあらかじめハト小屋を物色し、夕方ハトが運動から帰ってバタバタ騒いでいるときを見計らい、洋服のポケットに穴をあけてそこにハトを入れて持ち去っていた。
 少年たちの家庭はいずれも貧しく、売り払った金で映画や買い食いに使っていた。また東京・大田区のハト泥棒はいずれも15歳前後の子供たちばかりだったが、この子らも家が貧しくて買えぬため、たった一羽のハトを盗み出したというあどけない事件も起きている。
(毎日新聞2.15)
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