19歳の金持ちを目指す探偵小説狂が誘拐

1955年02月25日 (昭30)
京都府
 東京都千代田区の服問屋にスキーのゴーグルをした男が現れ、ノートを破った紙に「子供がかわいそうだったら八百万円出せ」と書かれた手紙を差し出した。手紙にはこの家の四男の小学4年生(9)の筆蹟で「けいさつにいうとぼくが殺されます」と書かれていた。
 母親が「夕方まで待ってほしい」と言うと「銀行が閉まるので待てない。今日の売上金だけでも出せ」と20分ほど押し問答をしているうちに、店員の通報によって駆けつけた警官に逮捕され、四男もデパートの屋上で保護された。
 男は川崎市の銭湯の釜炊き(19)で、たまたま通りかかった同家に目を付け興信所を使って資産や家族を調べ上げ、四男と三女の中学2年生を誘拐することを計画、下校途中の四男に「おじさんと遊ぼう」と声を掛けてタクシーでデパートの屋上に連れて行き「動くと殺すぞ」と脅して同家を訪れていた。校門が閉まっていたため三女の誘拐は失敗していた。
 男は探偵小説狂で金儲けの本を大量に読んでおり、「一九五五年度計画」ノートには「二月中旬決行、目標五百万円」、株や信託投資の詳細な計画、「かくて昭和三十年結婚」と書かれていた。
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