20歳(満18~19歳)が強盗殺人、さらに隠蔽のため弟殺害

1928年06月27日 (昭3)
東京都
死者:1人
東京市世田谷区松沢町上北沢の民家で、東京美術学校彫刻科生の谷口富士郎(20)と日大第二中学4年生の省二郎(18)の兄弟が押し入り、資産家女性(66)を用意していた彫刻用カナヅチで殴ってから電線で絞殺、2円30銭入りのサイフと懐中時計などを強奪して逃走した。この年の銀行員大卒初任給70円。

 富士郎は事件隠蔽のため11.11に省二郎を彫刻用カナヅチで殴り殺し、日大第二中学生の三男(17)に手伝わせて玄関に死体を埋め、さらに三男も殺害しようとしたが失敗して精神異常者として無理やり松沢病院に入れ、事件は迷宮入りとなった。中耳炎で死期が近づいた三男は昭和5年に告白、4.24に米国へ恋人と彫刻留学直前の富士郎が逮捕された。

 札幌医師会副会長をしている資産家の医学博士の息子で、昭和2年に3兄弟だけで勉学のため上京。家から充分すぎる送金をしてもらっていたが、カフェーの女給数人と遊び回っていたため学費を使い込んで困り、知り合いの資産家女性を襲ったもの。

 富士郎も精神異常となって松沢病院に入り裁判は中断したが、昭和10年12.5に大審院(最高裁)で無期懲役が確定した。
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