「中学浪人」ふえだし予備校まで 朝日新聞引用

1960年01月04日 (昭35)
沖縄県
 高校入試も昨年あたりから、「浪人しても一流校に」という風潮で、有名大学への登竜門となる高校の入試は厳しさひとしお。東京では東京学芸大学が、例年15倍の競争率。私学の早稲田学院と慶応付属高校がともに10倍。東京教育大付属高校は全国最高で30倍。また、熊本の国立電波高校や鳥羽の国立商船高校などのように、特殊技能者を養成する学校は、10倍以上の志願者が殺到。都市では学校が多いため、どこかに入学できるのだが、地方ではそうはいかない。
 朝日新聞社の調査では、人口わずか13万人の水戸市に、高校進学者のための予備校が2校もある。この茨城県では、公私立あわせて高校の定員は約1万9000人。これに対して志願者は約2万4000人。したがって単純計算でも約5000人が落第するわけ。水戸市内では高校予備校生の一年浪人を「一浪ひとなみ=人並み」と呼んでいる。長野県では、昨年約1000人の浪人がうまれ、これまで1校だった予備校が最近3校にふえ、ちょっとした予備校ブーム。このほか、推定される中学浪人の数は新潟市800人、下関市800人、尼崎市600人、静岡市400人。新潟では、昨年9月に予備校が開設、静岡でも予備校が繁盛している。
 沖縄では教育委員会公認の予備校があり、那覇市外の浪人で通学できない者は、母校の中学3年のクラスでもう一年やる「傍聴生」制度がある。
(朝日新聞1・4夕刊)
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