昭和35年(196酒とタバコに毒される少年たち

1960年01月?(詳細日付不明) (昭35)
東京都
 警視庁防犯課は8月中に補導した、非行少年のうち、酒とタバコの経験者2万人に対 し、飲酒・喫煙の実態調査をした。非行少年の大半にかなりの影響がある。
▽犯罪との関係――「飲酒が犯罪に直接、間接に関係がある」が全体の20.5%。殺人犯の場合、26人中5人(19.2%)は酒が直接の原因になっていた。タバコでは「タバコ代欲しさ」の犯行が多く、従って恐喝、窃盗が圧倒的に多い。補導された少年の62.8%が 喫煙。非行のはじまりはタバコからであることを裏付ける。
▽飲酒・喫煙の年齢――いずれも16歳前後に覚えたものが多く、ローティーンからハイティーンになりかけの年代が目立つ。動機は「大人にすすめられた」が酒で70%、タ バコで45%。
▽保護者の態度――酒・タバコとも「無関心」が50%、反対に「きびしい」が40%。子供が飲酒・喫煙するのを見て「一人前になった」などと好意的に認めている親は酒が8.4%、タバコが6.9%いる。
 少年たちは酒を飲むときわめて大胆になるばかりか、酒の力を借りて犯罪を働くことにもなる。
 東京の高校1年生(15)3人は、「おもしろく遊ぼう」とウイスキー1本を買って歩きながらラッパ飲みの末、自動車を盗んでドライブ、挙句に婦人を暴行した。3少年はふだん、ごく普通の少年だった。
 東京の住み込み工員3人(いずれも18)の場合も、まじめに働く少年たちだった。ところが同僚に酒をすすめられたのがきっかけで、バーに出入り、ついに酒代欲しさに強盗3件と恐喝1件を働いた。
 警視庁少年課がこの年、飲酒で補導した少年は約1万2000人。この数字は29年の4.4倍、15歳以下の場合をみると9.4倍、16歳は10倍で、低学年の増加が目立つ。
(青少年非行・犯罪史資料第2巻 191p 刊々堂出版社)
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