少女のバー勤め 小学生の女給も 読売新聞引用

1961年05月13日 (昭36)
神奈川県
 「ジャズが聴けて楽しいし、そのうえ金がもらえる」と積極的にバー、キャバレー勤めをする少女がふえている。業者も人手不足や好みなどを理由に、小・中学生を好んで採用するところが目立っている。
 東京・浅草署は、5月12日までに女給をしていた小学生2人、中学生2人の少女4人と、16歳と17歳の少女4人、計8人を補導した。小・中学生4人はすべて家出少女で、小学生の1人、小学6年生A子(11)は次のような転落コースを歩んだ。
 A子は埼玉県行田市の、タビ製造業を営む中流家庭の一人娘。2月はじめ、たまたま夜遅くまで遊んできたことで母親にしかられ、ほとんど金を持たず家出。上野の大衆酒場で働くことになった。体が大きいA子は十分中卒に見え、酒場でも人手不足から事情もきかずに採用した。一ヶ月ほど働いたが、料理の持ち運びだけの仕事にあき、募集広告で知った浅草のキャバレーに23歳と偽って応募、採用された。ジャズをバックに客とビールを飲んで、一ヶ月4000円(住み込み)、それにチップがもらえるとあってA子は満足しきった。タバコもおぼえ、カクテルドレスを着ての女給生活はA子には天国だった。補導されたとき、郷里では家出以来血まなこで行方を捜しているのに、A子は「家になんか帰りたくない」とダダをこねる有様。中学生の話では「池袋や横浜でも、お友だちがたくさん働いている」といっている。
 少女らを使っていた悪質業者は、児童福祉法、労働基準法で検挙、営業停止にした。警視庁では、盛り場に少女のバー勤め取り締り専従班をおき摘発を続ける。
(読売新聞5・13)
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