昭和40年(196トルコぶろに捜査の手

1965年01月?(詳細日付不明) (昭40)
兵庫県
 売春や青少年犯罪の温床となっているトルコぶろを、警視庁少年二課が児童福祉法と、職安法を立てに捜査に着手したのはこの年の2月。個室で売春が行われても立証が困難との理由でなかば放置されていた。同課を驚かせたのは、今まで知られなかったミス・トルコが業者から強制、搾取される被害の実態だった。ミス・トルコの収入は、利用者の入浴料700円とサービス料300円の計1000円のうち、300円だけ。1日5人の客を扱え1500円の収入がある勘定だが、業者はそうじ代1日100円、客1人のタオル代100円を取り上げる。
 5人の客だと650円が消えてしまう。熱気のなかの12時間労働とあって、健康を維持する食事代が1日2~300円、帰宅のタクシー代を含めると、1500円の収入は差し引き2、300円。これではアパート代もでないという。悪徳業者は月40人以上の“指名客”をとるノルマを課す。これを果たせないと一方的な解雇となるのだが、やめることができない。というのは、バックにヒモがいてそれを許さないからだ。
 こんどの調査で被害者のミス・トルコの2000余人のうち1500人までが、チンピラのヒモがとりついていた。ミス・トルコの一人、Y子(16)は千葉県の中学を卒業、家事を手伝っていたが、昨年11月に家出。市川市のトルコぶろに勤めるうち同僚を通じて自称N大2年生A(19)と知り合い、この3月Aの指示で都内のトルコに移った。個室で客から乱暴されそうになって逃げ出したところ支配人からおこられ、いや気がさして欠勤するとAがタバコの火を押しつける制裁。恐ろしさのあまり逃げ出すこともできず、過剰サービスに手を染めたという。内幕は女工哀史さながら。
 一方、警察庁は8、9月に全国一斉のトルコぶろ取締りを行ない、その結果646人の少女が働き、565人がいかがわしい行為をしていたことがわかった。二十歳未満の少女たちは、家出や集団就職組が目についた。警察庁の調べでは、全国のトルコぶろ数は544店で、東京の184店をはじめ兵庫、愛知、神奈川などに多い。
(青少年非行・犯罪史資料2巻 刊々堂出版社 401P)
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