高3がひかり号爆破未遂

1967年04月25日 (昭42)
東京都
 熱海付近を通過中の新幹線下り「ひかり21号」の座席に、『源氏物語』の本をくり抜いてダイナマイトと雷管を仕掛けた時限爆弾があるのを車掌が発見した。箱から本を引き抜くと爆発する仕掛けだったが、たまたま上下を逆にして抜いたため接触不良で爆発はしなかった。
 翌年2.19、窃盗容疑で留置中の18歳の無職少年が「火薬とSFを研究した成果を見るため」「高速で走る新幹線で爆発が起これば大勢の人が死ぬだろうと思った」と犯行を自供した。
 福島県の裕福な農家の末っ子で成績も良かったがSFと爆弾の研究に熱中、工事現場からダイナマイト百数十本と雷管などを盗み、相次ぐ爆弾事件に刺激されて親にアパートを借りてもらい本型の時限爆弾を自作、山中で何度も爆破実験をしていた。高校3年生(17)の修学旅行で東京駅に来たときに新幹線に仕掛けていた。
 研究資金のため盗みをはじめ、1月には学校も退学、自動車を盗んで逮捕され指紋が一致したため追及されて自白したもの。部屋の中からは国会議事堂や警視庁に丸爆印の付けられた地図も発見された。
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