20歳女子(満18~19歳)ら兄妹が父親毒殺

1933年01月22日 (昭8)
大阪府
死者:1人
三重県宇治山田市の青物問屋宅で、次女(20)と次男(23)が実の父親(55)を毒殺、2月に母親の違う長男(29)にも薬を飲ませて重体としたが未遂に終わり、6.13に逮捕された。

 高等女学校を卒業している長女が、中学を神経衰弱で中退してぶらぶらしている次男に家を継がせようと大阪で薬品を買って風邪薬として飲ませ、重体となった父に看護する親類の目を盗んでさらに何度も毒薬を口に無理やり入れたもの。それまでも薬品入りの酒を繰り返し飲ませており、昨年7月に次男が就寝中の父親の頭をカナヅチで殴って重体としたが、医者が脳出血と誤診したので殺害してもわからないと考えていた。

 2人とも成績優秀で薬物や犯罪の専門書を熱心に読んで研究、妹は次男を神だと信じており、「神に代わって父を滅ぼした」「いまやっと父を殺したのは悪かったとハッキリ理屈ではわかりました。しかし私の心中には罪を悲しもうとする本当の涙は湧きません。神様、本当に父殺しの大罪を悲しむ涙を湧き出させて下さい」(大阪毎日新聞名古屋版引用)などと話す。

 次男はノイローゼとなり、近所の人に殺害したことを話したり大阪の教会で懺悔したところから発覚。かなりの資産家で、母親は父親に内緒で次男に5千円のこづかいを与え、次男は2千円ずつ東京と大阪の新聞社に送って、自分は世界を統一する大英雄だという広告を掲載しようとしたりしていた。この年の銀行員大卒初任給70円。
感想・口コミ
出来事を検索する
検索するキーワード 表示結果
検索期間
日 ~
エリア
死者数
ジャンル指定