露店爆発事故の記憶伝える地蔵を撤去 国、河川敷占用許可の延長認めず

2019年02月27日 (平31)
京都府福知山市の由良川河川敷
死者:3人
2013年8月15日に京都府福知山市の由良川河川敷にて挙行されたドッコイセ福知山花火大会の開催中に発生した露店爆発事故の犠牲者を悼み、現場の由良川堤防に安置されていた地蔵像が、国の河川敷占用許可の延長が認められず、撤去されていたことが26日までに分かった。「事故が二度と繰り返されない誓いの場に」との願いで地元の元タクシー運転手の男性が設置した像で、現場で事故の記憶を伝える唯一の存在だった。

露店爆発事故の記憶伝える地蔵を撤去 国、河川敷占用許可の延長認めず 地蔵像が撤去された露店爆発事故現場付近の堤防上の空き地(福知山市上柳) 「何もない所に手を合わせるのはやり切れない」  地蔵像は、同市篠尾の高橋保さん(66)が、幼少期によく遊んだ思い出の残る由良川で、子どもを含む3人の尊い命がなくなったことに心を痛め、事故から約2カ月後に設置。翌年には、木製のほこらを自費で作って像を手厚く祭ってきた。毎年8月には、被害者家族や市民らが訪れ、犠牲者を悼む鎮魂の場になっていた。

 安置していた場所は、事故現場を望む堤防上の空き地の一角。これまで、河川敷一帯を管理する国土交通省福知山河川国道事務所から高橋さん側が許可を受けて設置してきたが、占用期限を迎える昨年8月を前に、同事務所から撤去を求める通知が届いた。占用許可の延長を求め同事務所と話し合ったが、許可が下りず最後は自分で軽トラックを使って撤去したという。

 同事務所は、河川区域内では公共物や注意喚起の看板などを除いて工作物の設置は認められないとする。地蔵像については過去にも高橋さんに撤去を求め、15年8月から3年間の占用許可を出した経緯を踏まえ、「事故の重大性などを鑑みた特例措置で、当初の約束だった3年以上の占用は許可できない」としている。

 現場の河川敷周辺には、事故を伝える慰霊碑などはなく、市や商工会議所などでつくる花火大会実行委員会も本年度末での解散を決定。事故の風化が課題となっている。

 地蔵像は現在、事故現場の河川敷から南西約3キロの高橋さんの私有地に仮置きされている。事故現場近くの住民から再設置を望む声も届いているといい、「何もない所に手を合わせるのはやり切れない。犠牲者や地元への思いを込めて5年間管理をしてきたので、悔しく、寂しい」と高橋さんは涙ぐんだ。
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