19歳の松平子爵令嬢誘拐事件

1944年08月01日 (昭19)
岐阜県
鉄道機関助手の樋口芳男は昭和18年から毎月ひとりを誘拐する「悲願千人切り」と題する手帳を付け、満19歳だった昭和19年8.1に松平子爵令嬢、女子学習院付属初等科5年生(12)を「お父さんに渡す大切なお金を渡すから一緒に来てください」と電車に乗せて誘拐した。8.3に逮捕され、少女ばかり7件の誘拐罪で3年の刑を受けて八王子少年刑務所に入っていたが昭和20年7.31に脱走、合計で16人の少女を誘拐することになる。

 昭和21年9.17に横浜市で住友本家令嬢の白百合高女付属初等科6年生の女の子(12)が帰宅途中、「警察の者ですが、お宅で重大事件が起きましたから一緒に来てください」と言う男に連れ去られたが、数日経っても脅迫状も届かなかった。

 この年の3月に日本帝国工業専務令嬢、日本女子付属初等科5年生(11)が誘拐されて7月に脅迫状が届き警察の尾行がつきながらも1万5千円を奪われ令嬢は半年ぶりに家に戻るという事件があったが、手口と人相が似ていたため同一犯と断定、樋口芳男(22)を指名手配し、22日に岐阜県で逮捕、住友令嬢も無事に戻った。

 性的変質者だが紳士的な態度で少女たちは皆恐がりもせずについていったという。
感想・口コミ
出来事を検索する
検索するキーワード 表示結果
検索期間
日 ~
エリア
死者数
ジャンル指定